生薬としてのマタタビについて

マタタビは猫のおやつやおもちゃとして利用されてきました。

本当のマタタビの価値は、猫のマタタビ踊りを見て楽しむだけのものではありません。古くから生薬として珍重されてきたのです。

マタタビは古来から生薬としての位置づけをされてきたもの

猫にも大変有効な場合があります。おやつとしてでなく、体調に合わせてフードに混ぜるなどして「猫の万能薬」として利用することもできます。

病気で弱っている猫や、妊娠授乳期の猫には注意が必要です。普段の健康状態でないときには獣医さんに相談してください。

また、生薬としてマタタビを使用したい場合は漢方薬局で相談され、良質なものを購入されることをおすすめします。

マタタビの実と言われているものには2種類ある

マタタビの実といっても、見た目の違う2種類があることを知っていますか?
本来の意味での果実と、そうでないニセの実があるのです。名前もややこしいので①、②の番号付きで説明していきます。

①天木実(てんもくじつ)

長めのどんぐりのような形をしていて、本来の果実であるもの。コブ状の凹凸の無いもの。
マタタビの熟れた果実は甘味があって生食できます。若い果実は辛苦い味で、けしておいしいものではありません。塩漬けや味噌漬けにしたり、果実酒つくりに使用されています。

②木天蓼子(もくてんりょうし)

コブ状の凹凸があり、ふくれ上がった実のように見えるもの。カボチャのような形。中にはマタタビミタマバエが寄生している。①の天木実と同じ木にできる、ニセの果実。

①の天木実はショップでよく見かけるもの
ペットのおやつとして見かけるのは、本来の果実である①木天実を乾燥したものです
当然、猫が好むマタタビラクトン類が含まれていて、興奮状態を引き起こすことになります。
②の木天蓼子は果実ではなく、虫が寄生してできた虫コブ!

実は奥が深いマタタビ。おどろきの事実なのです。
生薬として効能が高いマタタビとは、虫が寄生してできたコブを熱処理して乾燥させた、こちらのニセ果実の方を指しているのです。
滋養強壮に良いと高値で売買される冬虫夏草を思い出してしまいますね。

虫が寄生してできたコブ…?

寄生生物によって植物が異常な成長をしたときにできるコブ状のもので、虫癭(ちゅうえい)、虫瘤(むしこぶ)と呼びます。

害虫が果樹に寄生してできたコブなんて、栽培する人にとってはやっかいなものです。
それが、中には私たちにとって役に立つありがたいケースもあるのです。そのひとつがこのマタタビのケース。

マタタビの花がつぼみの頃に、マタタビミタマバエが花の子房(しぼう)に産卵すると、その花には正常の果実はできず、代わりに虫こぶとなって実るように膨れていくのです。

つまり、ここで言う「マタタビの実=木天蓼子」とは、マタタビミタマバエ(タマバエの1種です、つまりハエの名前!)が寄生してできた「マタタビフクレフシ」と呼ばれるコブであって、本来の果実ではないのです。

木天蓼(もくてんりょう)は万能薬と言われている

マタタビミタマバエが寄生してコブ状となったものを熱湯で処理して乾燥したものを木天蓼(もくてんりょう)と呼びます。
つまり、マタタビの別名や漢名がモクテンリョウではないのです。生薬としての呼び名です。

木天蓼の効能は天木実より高く優れている

マタタビには冷え性、神経痛、リューマチ、利尿、強心の効果があり、木天蓼は正常な果実である天木実より生薬としての効能が高く、珍重されてきました。
そして、マタタビが「猫の万病薬」と言われる場合も、この木天蓼を指していると考えるべきです。

「虫癭果の純末100%使用のマタタビ」とは?

猫用品のショップでは、マタタビ関係の品も増えました。

「虫癭果の純末100%使用のまたたび」と表記されている粉末マタタビも販売されています。
どういうこと? と思われた方も多いと思いますが、虫癭果(ちゅうえいか)、つまり本来の果実ではない、虫こぶ化した木天蓼を加工して作っていますよ、という意味です。
本来のマタタビの果実より効能があるんですよ、と謳っているわけですね。

マタタビは木のどの部分も生薬として扱われている

とはいえ、①の天木実に生薬成分がないのかというと、けしてそうではありません。
①の天木実にも、猫踊りをするに十分な成分と、滋養強壮・血行促進効果などの成分がしっかり含まれています。

以下はマタタビのヒトへの使用法などですが、ご参考にしてください。

マタタビの利用法

乾燥した葉や枝:お風呂に入れる。体の保温・疲労回復・腰痛改善・安眠熟睡の効果がある。
若い果実:塩や味噌漬けにして食べる。滋養強壮・冷え性対策に良い。
若葉や花:塩湯でにして、おひたし・あえものにして食べる。血行促進に良い。
乾燥葉、果実:ハーブティとして飲用する。リラックス効果がある
天木実・木天蓼:アルコールに漬けてマタタビ酒にする。体を温める効果がある
まとめ

このように見てきますと、猫はマタタビ踊りしているだけではなく、本当のストレス解消、血行促進、更には鎮痛効果まで得られているのではないかと思えてきます。

猫にとっては良いサプリメントと呼べるマタタビです。上手に利用していきたいものですね。

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