猫も食中毒に注意しなければならない – キャットフードと細菌性食中毒について

冬が終わって桜が咲く頃には花を散らせる雨が続いたり。4月は食中毒の危険性が一気に高まる季節です。5月になったらもうカビのシーズン。6月はなんでもすぐ腐る。7月は冷蔵庫さえも信用できない。

とはいえ、月別では説明できないのが食中毒の問題です。一年中気を付けなければならないのですが、猫のごはんや容器の食中毒対策は万全ですか?
人間と同じように気を使っていますか?

人間でも生死に関わる問題です。からだの小さな猫にとってはもっと重大なことなのです。

昔、猫はネズミ駆除に使われていたし、強力な胃酸を持っているんだから大丈夫だろう? なんて考えていたら大間違いなんですね。

食中毒と言っても、薬剤などの化学物質、毒キノコ、フグ毒といった自然毒に因るものではなく、キャットフードをとりまく細菌・真菌がもたらす食中毒についてお話していきます。
食中毒、つまり細菌性胃腸炎について

腐っているなど細菌感染した食べ物を食べることによって下痢、嘔吐などの症状が出たら、細菌性胃腸炎を引き起こしていると考えられます。

細菌性胃腸炎の原因菌は?

このようなものがあります。

①細菌性感染型

原因細菌には、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、病原性大腸菌

②細菌性生体内毒素型

原因細菌には、ウェルシュ菌、 セレウス菌、腸管出血性大腸菌

③細菌性食品内毒素型

原因細菌には、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌

③真菌性

原因菌には、アフラトキシン、赤カビ毒、黄変米
これらの菌の内、どれが関係して中毒症状が出たかは即座にはわかりません。
共通して、嘔吐、下痢といった急性胃腸炎を引き起こします。症状が激しいと痙攣や呼吸困難を起こすこともありますので、即座に動物病院で診察を受けましょう。

いつもの下痢や嘔吐と違うかも?
猫は下痢や嘔吐をしやすい動物です。日々の食事やストレスが関係しているのは当然ですが。

また人間含め、動物の消化管の中には多数の常在菌が生息しているので、便の中に細菌がいること自体は当たり前なわけですが・・・

少しでも異変に気づいたら、動物病院での診察を受けましょう。そのうち治る、と過信していると、細菌性胃腸炎は重症化します。また長期化しますので、早期の治療が必要です。

サルモネラ菌。腸炎ビブリオ菌による場合などは、大量の補液、解毒剤、抗生物質の適切な投与が必要となります。一刻も早く獣医師の診察と治療を受けてください。

応急手当

食中毒の際には、水分補給が必要でありスポーツドリンクが良い、のですが。
そういうものが家にない場合は、ショップに買いに走るより、動物病院へ走りましょう。
食中毒の原因菌によってはスポーツドリンクを無理やり飲ませる程度では対策不足であることが多いのです。

予防

食中毒予防対策としては次のようなことが挙げられます。

ドライフードの場合

保存料無添加のものも多くなっていますので、より一層細菌や真菌による食中毒が懸念されます。

・不必要に大きな袋入りのものを買わない
・小袋入りといえど、開封したままで放置しない
・1食分にコマメに分け、空気を抜いてラップするなどしておく
・密閉容器に入れたからといって安心しない。空気を抜いて真空に近づけて保存し早めに消費する
ウェットフードの場合

缶詰やレトルトのキャットフードは、封を開けなければ長期に保存が可能ですが、封を開けた後の「半分残し」が危険すぎることになります。

レトルトパウチ入りのものが最も安全で便利

レトルト食品とは、「レトルト(高圧釜)により120℃・4分以上の高温・高圧で殺菌されたパウチ(袋状のもの)、または成形容器(トレー状など)に詰められた食品」のことを言います。
しかし! 加熱殺菌してあります。とはいえ、すべての菌を滅菌するのは不可能だということもしっかり覚えていてください。わずかな菌も長期間経てばお腹をこわす程度には繁殖してきます。
また、レトルトには保存料が入っていない(食品衛生法)ため、一度封を開けたら使い切るか、食べ残しを廃棄しないのなら、即座に密閉して冷蔵・冷凍保存しなければなりません。
缶詰も同様で、食べ残しを放置しておかないことです。
また、ウェットフードの場合は、容器洗浄をしっかりしないといけません。ドライフードでも同じですが、ウェットフードは細菌の増殖が激しく腐敗しやすいので、少量が容器に残っているだけでも細菌の棲家となっています。

手作りフード

愛情込めた手作りキャットフードは、作った後も管理に愛情を

猫の為に厳選したキャットフードであっても、その管理を怠ったりすると大変危険です。
熱を加えることで大抵の細菌は死滅します。が、加熱後放置することで細菌はまた増殖してきています。

加熱調理後2時間以上室温に放置しないことや、前日調理したものなどは食べる前に再加熱(沸騰させること)することはとても大切なことです。
食中毒防止には加熱すればよい、では足りない?

加熱することで滅菌することができる、というのは間違いではありません。
しかし、食中毒の原因となる細菌の中には、熱に強いやっかいなものがいます。

ウェルシュ菌は熱に強い「芽胞」を形成するので100℃、4時間の加熱でも死滅させることができません。酸素がないところでも増殖するのです。
ですので、加熱調理で殺菌することは諦めるしかないのが現状なのです。

また、「2日目のカレーがおいしい」というのは事実ですが、学校給食で、カレーなどで起こった食中毒は、ウェルシュ菌によるものが報告されており、給食病とも呼ばれています。

2017年3月、東京都内の幼稚園で作り置きした2日目のカレーを食べた園児ら70人以上が集団食中毒にかかりました。その原因となったのもこのウェルシュ菌でした。

芽胞菌について知っておこう!

芽胞菌とは、耐久性の高い細胞構造を持っている細菌で、熱・乾燥・薬剤にも強い抵抗力を持っています。過酷な環境下でも休眠し、環境条件が良くなると芽胞から出芽して毒素を撒きながら増殖するのです。

ウエルシュ菌やボツリヌス菌、セレウス菌は、芽胞菌の1種です。
一度混入すると、その食品からその危険を取り除くことは困難です。加熱したからもう大丈夫、ということは言えないのですね。まずはこういう細菌も身近にあるのだということを知っておくことが大切だと言えます。

まとめ
食中毒は、十分加熱することはもちろん一番の安全策です。多くの細菌真菌を死滅させることができます。
しかしながら、加熱調理した料理の中で、熱に強い細菌がいるために食中毒を引き起こす細菌がいるということも知っておくべきです。

調理したあとの食べ残しはすぐ冷凍・冷蔵すること、常温で放置しないことを心がけましょう。

消化管の中には、多数の常在菌が生息していますので、便の中に細菌がいること自体は当たり前なわけですが・・・

この細菌自体は、正常なわんちゃん・ねこちゃんの消化管内にも存在しているもので、この菌がいるから必ず下痢になるわけはありませんが・・・

ストレスや、急な食べ物の変化、生ごみあさり等々・・・消化管内の環境が崩れるようなことがきっかけで、「芽胞」や「毒素」が産生されて、下痢の症状を発症することが多いようです。

通常は、それほど深刻な病状になることはなく、1週間~2週間程度の投薬ですっかりと良くなることがほとんどですが、中には、生涯にわたって一定の治療が必要になるようなケースもあるようです。

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